ハンセン病患者の隔離政策で家族も差別などの被害を受けたとして、国に賠償を命じた28日の熊本地裁判決。長く偏見に苦しめられてきた元患者の家族らは「良い判決が出た」と笑顔を見せた。
 父親が患者だった原告団長の林力さん(94)=福岡市=は、判決後に熊本市内で開いた記者会見で、「ここまでの判決が出るとは思っていなかった」と驚きを隠さなかった。
 判決は、就学や就職、結婚など人生の節目で差別を受けてきたとし、家族に対する国の責任を初めて認めた。林さんは「ハンセン病の歴史や現実、課題が明らかにされていくことが人権にプラスとなる」と語気を強めた。
 原告団副団長で家族が患者だった黄光男さん(63)=兵庫県尼崎市=は「一生を台無しにされた原告がいっぱいいる。心の底から喜んでいいのかと思うが、家族の被害が認められたことはステップの一つ」と評価。「国は判決を正面から受け止め控訴を断念してほしい」と求めた。父親が元患者の80代男性も「いい判決が出たという点ではみんな喜んでいると思う」と話した。
 弁護団の八尋光秀共同代表は「家族に対する差別偏見の除去に国を挙げて対応すべきだったことを認めた画期的判決」と強調した。一方で、敗訴した20人については「控訴を前提に話し合う」と述べた。 (C)時事通信社