受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が7月1日に一部施行されるのに伴い、敷地内が原則禁煙となる大学の対応が分かれている。全面禁煙の徹底で学生の喫煙率が低下した大学が現れる一方、路上喫煙の懸念から当面は分煙を続ける大学もある。
 大分大は、2011年4月からいち早く構内の全面禁煙に踏み切った。春の健康診断時には、喫煙する学生と医師が1対1で面談し、ニコチンパッチの配布や保健師による指導を受けられる「学内禁煙外来」に紹介する。
 その結果、大分市のキャンパスに通う学生の喫煙率は、13年の7%から19年には3.7%へとほぼ半減。同大は「全面禁煙と学生への支援を通し、一定の効果が出ている」としている。
 龍谷大(京都市)には、改正法が例外としている敷地内の喫煙所が15カ所ある。あえて「卒煙支援ブース」と名付け、内部には「あなたの煙は大切な人を傷つけていませんか」などと書かれたポスターを掲示。大学で受けられる禁煙支援も紹介し、喫煙をやめるよう誘導している。
 同大は09年4月に敷地内を全面禁煙にしたが、周辺住民から「学生が路上喫煙をしている」とのクレームが相次ぎ、1年半後に取りやめた。担当者は「目標は全面禁煙だが、一気には難しい」と話す。希望者に無料でニコチンパッチを配るなどし、学生に禁煙を促していく方針だ。
 一方、上智大(東京都千代田区)では、学内に1カ所ある喫煙所を今後も存続させる。同区内は条例で公道などの路上喫煙が禁止されており、同大は「喫煙所の閉鎖で路上喫煙の増加を懸念した」と説明する。
 中京大(名古屋市)の家田重晴教授(学校保健学)は「受動喫煙の防止には、敷地内禁煙が必須」と指摘。「大学側は敷地内禁煙と合わせ、学内の喫煙率の調査や禁煙支援、喫煙防止教育を積極的に進める必要がある」と話している。
 改正法の一部施行で、学校や保育所、病院などの公共施設は敷地内が原則禁煙となる。20年4月の全面施行により、事務所や一定規模以上の飲食店内のほか、旅客機やバス、タクシーも原則禁煙とされる。 (C)時事通信社