がん免疫治療薬オプジーボの特許使用料をめぐって京都大の本庶佑特別教授と製造・販売する小野薬品工業が対立している問題で、本庶氏は27日、同社を相手に150億円の支払いを求める訴訟を起こす方針を固めた。小野薬品の対応を見て9月にも大阪地裁に提訴する。
 本庶氏は2006年10月、小野薬品と特許の対価支払いを含む契約を結んだが、配分は売り上げの1%以下。その後契約修正を求め、「虚偽説明があった」と批判したが、小野薬品は修正を拒否している。
 本庶氏は訴訟に当たり、米ブリストル・マイヤーズ・スクイブと小野薬品が米メルクを相手にした特許侵害訴訟で和解した際の対価について、同氏への配分はメルクが支払う金額の10%に上げるべきだと主張。小野薬品は17年1月~18年3月分で約4億円を法務局に供託しているが、同氏は10%分の約154億円との差額を求める。
 本庶氏はさらに06年の契約の対価引き上げや有効性を争う訴訟も検討する。オプジーボの基となる研究で、同氏は18年のノーベル医学生理学賞を受賞した。
 本庶氏は弁護士を通じ、「大学と企業が対立状態にあると社会も株主も損失を被る。小野薬品から再提案がなく訴訟になれば、裁判所の判断を仰ぎつつ一日も早く良好な産学連携関係を取り戻したい」とコメント。
 小野薬品の広報担当者は取材に「契約見直しではなく京大への寄付を考えており、内容については株主の意見を踏まえ検討している」と話した。 (C)時事通信社