老後資金として年金以外に2000万円の蓄えが必要だと試算し、先の通常国会や参院選で論争を巻き起こした金融庁報告書をめぐり、同庁が報告書を作成し直す方針を固めたことが5日、明らかになった。今秋に金融審議会(首相の諮問機関)作業部会を再開。高齢化社会に必要な金融サービスや資産形成の在り方の議論を仕切り直し、麻生太郎金融相への報告書提出を目指す。
 作業部会が当初6月に取りまとめた報告書をめぐっては、「年金破綻を認めた」「誤解や不安を招いた」と与野党が一斉に批判。麻生金融相が受け取りを拒否する事態に発展した。参院選では受け取り拒否の是非も争点化するなど紛糾し、金融庁はその後の対応について「未定」としていた。
 老後の収入や支出、暮らしぶりには個人差があるため、必要額を一概に明示できない半面、「人生100年時代」に備える長期的な資産形成や金融サービスを議論する重要度は増している。
 このため、金融庁は批判を受けて以降、休眠状態となっていた作業部会を9月にも再開する方針。公的年金や具体的な収支状況に焦点を当てず、老後資金に関して幅広く課題を提起する形での提言を模索する考えだ。 (C)時事通信社