京都アニメーションの放火殺人事件で、京都弁護士会は5日、遺族や被害に遭った社員らを対象とした無料相談を始めた。自治体なども相談窓口を設け、「心の傷」に寄り添おうと支援の輪が広がっている。
 弁護士会の無料相談は、被害者支援の経験が豊富な弁護士約10人が電話で対応。遺族や被害者からの補償や刑事手続きに関する相談を想定し、離れて暮らす家族は地元弁護士会と連携してサポートする。担当者は「被害者の立場に立ち、法的な支援をしたい」と話す。
 公益社団法人「京都犯罪被害者支援センター」も「長期的な支援が必要」として準備を急ぐ。京都府警は約100人の「被害者支援班」が遺族らに対応しているが、今後引き継ぐために態勢を整えている。
 センターの相談員が心身の状態を聞き取り、カウンセラーらに橋渡しする計画。被害が前例のない規模だけに、全国組織とも連携し漏れを生じさせないための模索が続く。
 事件では、救護に当たった人や周辺住民など、ケアが必要な人は多岐にわたる。府や京都市などは相談窓口の設置や、保健師の戸別訪問を実施。悲惨な現場を目の当たりにしたことによる精神的ショックや難を逃れた社員の心痛について相談が寄せられているという。
 犯罪被害者支援に詳しい武庫川女子大の大岡由佳准教授は「葬儀などが終わり時間ができた後の方が悲嘆が強まる傾向があり、気持ちを受け止めてくれる誰かに話すことが大切。支援する人手の不足が心配で、きめ細やかに連携するべきだ」と話している。 (C)時事通信社