猛暑が続く中、高齢者を中心に熱中症による救急搬送が相次いでいる。厚生労働省などは扇風機だけでは熱中症になる恐れがあるとして、エアコンの積極的な利用を呼び掛けている。
 総務省消防庁によると、11日までの1週間に熱中症で搬送された人は1万2751人で、前年同期と比べ約4100人多かった。6月に熱中症で救急搬送された人の半数近くが65歳以上だった。
 米医師会雑誌の電子版によると、米国で2015~16年、60~80歳の男女を42度に室温を保った部屋で座らせ、湿度を30%から70%に上げながら扇風機の風を当てたところ、心拍数や体温の上昇が確認された。加齢による発汗能力の衰えなどが原因とみられるという。
 医療ガバナンス研究所の上昌広理事長は「若者と比べ、高齢者は汗をかきにくく、体温が上がりやすい」と指摘。高温の室内で扇風機を使用すると、「熱風を吹き付けるだけで、熱中症になる可能性がある」と警鐘を鳴らす。
 厚労省はエアコンで室温を下げ、体を冷やすことを勧めている。扇風機を使用する場合も「首や脚の付け根など、血管が集中している部分をぬれタオルなどで冷やすと効果的」(担当者)という。 (C)時事通信社