厚生労働省は、子どもの引きこもりが長期化し、親も介護や貧困を抱えて行き詰まるなど生活上の複合的な問題に一括して対応する「断らない相談支援」を、2020年度から強化する。役所内で問題をたらい回しにしない体制を整えるほか、窓口を置く市町村も増やす。20年度予算概算要求で今年度の倍額に当たる約60億円の関連事業費を計上する方向で調整している。
 引きこもりの子が50代、親が80代と共に高齢化する「8050問題」や、介護と子育てを同時に抱えて負担が過重になる「ダブルケア」などの問題には、従来の制度を超えた柔軟な対応が必要。「断らない相談支援」は、異なる福祉分野の課題を一度に抱えたケースに一括して応じる仕組みで、厚労省が提唱している。
 20年度は、市町村の「断らない相談」で明らかになった、既存の制度ではカバーできない就労、居住支援などのニーズに対応する予算を確保。継続した支援ができるよう、社会福祉協議会やNPO、企業や商店街といった地域のさまざまな関係者に参加を促す仕組みもつくる。具体的には、関係者に働き掛けるコーディネーターを市町村に新たに配置する。
 19年度予算では、断らない相談窓口の設置経費に充てる補助金を200市町村分確保していたが、20年度はこれを250市町村分まで増やしたい考えだ。 (C)時事通信社