厚生労働省は27日、2020年度予算概算要求の内容を自民党厚労部会に示した。高齢化に伴う年金・医療費の増加などで、前年度比2.1%増の32兆6234億円と過去最大の要求額となった。政府の重点課題である就職氷河期世代への就労支援には653億円を計上した。
 要求額の内訳は、年金制度の運営12兆1260億円、医療保険制度における国庫負担11兆8599億円、介護3兆3342億円、生活保護の国庫負担2兆8471億円など。消費税率引き上げに伴う社会保障4分野(年金、医療、介護、少子化対策)の充実については、予算編成過程で具体的な検討を進めていく。
 氷河期世代への支援では、民間事業者のノウハウを生かし、不安定な就労状態にある人を安定就職につなげるための教育訓練などを実施。就学や就労をしていない無業状態の若者らを支援する「地域若者サポートステーション」の対象年齢を50歳まで拡大し、相談体制を手厚くする。また、自治体の自立相談支援機関には、就労が難しい人の自宅などに出向いて相談に応じる「アウトリーチ支援員」を新たに配置する。
 引きこもりの長期化に伴い、中高年の子を養う親が高齢化して困窮する「8050問題」などへの取り組みでは、複合化した福祉課題に自治体がワンストップで対応する「断らない相談支援」に向けて包括的支援体制の整備を推進。19年度の倍額となる58億円を計上した。
 労働分野では、賃金の引き上げのため、生産性向上に取り組む中小企業の支援に184億円を盛り込んだ。 (C)時事通信社