厚生労働省は27日、公的年金の給付水準見通しに関する財政検証結果を公表した。現役世代の手取り収入と比べた年金額の割合を示す「所得代替率」は2019年度に61.7%であるのに対し、中長期的に0.4%の実質経済成長が続く標準的なケースで28年後の47年度に50.8%へ低下し、その後維持。年金水準は現在より2割弱目減りする。法律で定めた50%を上回るが、試算は成長が続くことが前提で、想定を下回れば水準はさらに低下する。
 水準が低下するのは、少子高齢化でも制度が続くよう「マクロ経済スライド」と呼ばれる仕組みで年金の伸びを抑えるためだ。
 試算は約半世紀後の65年に、1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す「合計特殊出生率」が現状並みの1.44であることが前提。当面は高い経済成長が続き、女性や高齢者の労働参加が進むことも条件に加えた。
 試算は物価などの経済条件について標準的なケースを含め6通りで実施。中長期の成長率が微増か横ばいの2ケースは所得代替率50%を割り込み、50年代に44.5~46.5%となる。マイナス成長では52年度に国民年金の積立金が枯渇し、その後36~38%程度に。逆に高成長が続く2ケースは46年度以降は51.6~51.9%で下げ止まる。 (C)時事通信社