唇の周辺に痛みのある水膨れができる「口唇ヘルペス」の原因ウイルスを改変し、がん細胞に感染させて退治する研究を進めている東京大医科学研究所の藤堂具紀教授らは27日、皮膚がんの一種「悪性黒色腫」の患者を対象に治験を行うと発表した。
 治験は東大医科研付属病院と信州大医学部付属病院(長野県松本市)で行い、まず患者6人で安全性を評価。次に18人で有効性を評価する。27日から参加希望患者の募集を始めた。約5年後の実用化を目指している。
 この改変ウイルスは遺伝子操作により、正常な細胞では増えず、がん細胞だけで増えてがんを死滅させる。今回はさらに、患者の免疫にがんを退治させる遺伝子もウイルスに追加した。治験では、悪性黒色腫ができた部分などに注射する。起こり得る副作用は局所的な腫れや全身の発熱という。
 患者の免疫にがんを退治させる遺伝子を追加しない改変ウイルスでは、悪性脳腫瘍の一種「膠芽腫(こうがしゅ)」の患者を対象に治験を行った結果を2月に発表した。安全性、治療効果とも高かったという。 (C)時事通信社