2050年、世界の子供の4割はアフリカに偏在することになると推計される中、アフリカ連合(AU)委員会と国連児童基金(ユニセフ)が共催し、アフリカ開発会議(TICAD)開催中の横浜市で29日、サイドイベント「アフリカの若者たちの可能性を解き放て」が開かれた。ユニセフのフォア事務局長は「子供は素晴らしい資源。アフリカが一人で歩むことはない」と世界的な協力による人材育成を呼び掛けた。
 日本は高齢化社会になって久しいが、アフリカでは全く逆の光景が広がる。現時点で「アフリカの人口の半数は子供」とユニセフは考えている。この大勢の子供たちが次々18歳になっていく。「教育や訓練で生産性の高い労働力として育てていけるのか」「貧困の連鎖から抜けられない世代にしてしまうのか」。この選択を誤れば「世界中の未来が影響を受ける」とユニセフは警告している。
 AUのアヤ・シェッビー青年特使(チュニジア出身)は「アフリカには紛争地から逃れられない子供も、児童婚を強制されている子もいる。子供は狙われやすい」と保護の必要性を訴えた。さらに「アフリカの若い世代の7割はオフライン。つまりインターネットと関係なく暮らしている」と指摘。TICADのような場で発信された情報が肝心のアフリカの若者になかなか到達しにくい。
 一方で「若い世代の声がAUにも届けられるようになってきている」とアフリカにも意識の変化が表れていることを強調した。「私の周りにも『AUなんて関係ない』と語る若者はいるが、文句を言っているだけでは進まない。若者が改革にどう関わっていけるか考えたい。次は目に見える形で実行することだ」と訴えた。
 AU委員会のアグボール委員(人的資源・科学・技術担当、カメルーン出身)も「質の高い教育を通じ子供に自信を与えていきたい」と抱負を語った。しかし「平和がなければそれもできない」と述べ、紛争はもちろん気候変動も含め、社会の安定という大きな課題の解決が子供の問題にも大きく関わることを指摘した。 (C)時事通信社