厚生労働省の調査で、2019年4月1日時点の全国の待機児童数が過去最少を記録した。減少幅が大きかった自治体の上位には、これまで問題の深刻さが指摘されることが多かった首都圏の市区が並ぶ。一方、新興住宅地を抱える郊外型の自治体などでは、待機児童が増えているケースもある。
 これまで政府は、18~20年度の3年間で新たに32万人分の保育の受け皿確保を実現する方針を示し、整備を進めてきた。都市部を中心に受け皿確保が進んだこともあり、全体での待機児童数は18、19年と2年続けて減少した。
 減少幅の大きな自治体の上位には、東京都江戸川区(270人減)など首都圏の自治体が目立つ。その一方で、想定を上回る需要増が原因で待機児童数が増加した自治体もある。同省によると、新興住宅地の開発が進む福岡県福津市(87人増)など123の自治体が該当するという。
 そのうち、増加数が最も多かった那覇市をはじめとする沖縄県内の市町では、出生率が高い一方で共働きが多く、過去に認可保育所の整備が進んでいなかったという地域事情が影響しているとみられる。沖縄以外の自治体では、新興住宅地の開発など急激な人口増加が主な原因と考えられる。
 「(都市部では)タワーマンションが一つ建つだけで、子どもの数の想定に大きなずれが出てくる」(政令市の担当課長)といった声もあり、正確な需要予測には難しさが伴うのも実態だ。政府は20年度末までの「待機児童ゼロ」を目標に掲げているが、達成できるかどうか厳しい状況が続く。 (C)時事通信社