鹿児島県出水市の大塚璃愛来ちゃん(4)が母親の交際相手の日渡駿容疑者(21)=暴行容疑で逮捕=に殴られ、その後死亡した事件は、7日で発覚から1週間となる。県の中央児童相談所が育児放棄(ネグレクト)と認定していたほか、市があざの情報を把握していたにもかかわらず、幼い命を救えなかった。児相は関係機関との連携不足を認め、児相を管轄する県や市は再発防止のため、検証に乗り出した。
 璃愛来ちゃんをめぐっては、当時住んでいた同県薩摩川内市で3~4月、夜間に1人で屋外にいたところを県警が計4回、迷子として保護。児相はネグレクトと認定し、7月に転居した出水市にも情報は引き継がれた。
 しかし、出水市は、8月5日の段階で把握していた体のあざなどの情報を、ネグレクト事案として対応していたことを理由に、児相に報告していなかった。母子の不在で、直接面談できたのも事件前の1回にとどまった。
 一方、児相に対し同9日、ネグレクト事案への対応を関係機関が協議する「要保護児童対策地域協議会」(要対協)の個別ケース検討会議の開催を、出水市の担当者が電話で打診したが、児相から最終的な返答はなかったという。要対協が開かれていれば、あざなどの情報が共有されていた可能性がある。
 児相の佐多士郎所長は「(打診を)受けたという確認はない」と説明。同市の冨永栄二保健福祉部長は「電話の記録が残っている」と反論し、連携不足については「検証していきたい」と述べた。
 また、薩摩川内市で4回目の迷子の保護となった4月2日、佐多所長が職員に児童福祉法に基づく一時保護の方針を県警に伝えるよう指示。しかし、県警によると「母親に連絡を取って引き渡してほしい」と伝わっていたことも判明した。県は、指示がどう伝わったかなどについて検証する。 (C)時事通信社