【パリ時事】フランス議会は、独身や同性婚を含むすべての女性に対し、人工授精などの生殖補助医療を認める生命倫理法改正案の審議を本格化させる。23日に本会議入りし、政府は来年初頭の可決を目指すが、カトリック系団体などからの反対が根強く、議論は紛糾する可能性がある。
 現在フランスでは、不妊または重い遺伝病などの危険性がある異性カップルに対してのみ、生殖補助医療が認められている。そのため、独身女性や女性同士のカップルはスペインやベルギーなど国外で生殖補助医療を受ける必要がある。
 生殖補助医療の拡大はマクロン大統領の選挙公約。国家倫理諮問委員会は昨年9月に法改正の勧告を行った際、「子供を持てない苦しみは考慮されるべきだ」と指摘した。
 これに対し、カトリック団体のフランス司教会ら反対派は「代理母出産に道を開く」「子供は父親と母親の両方を持つ権利がある」などと批判。同性婚に反対する「みんなのためのデモ」をはじめ複数の団体は、10月6日に抗議デモを行うと予告している。
 4月に公表された世論調査によると、国民の65%が生殖補助医療の全女性への拡大に賛成している。
 一方、代理母出産について、仏政府は「他人の子供を妊娠させるために女性の体を使うことは人身売買の領域に入る」(ビュザン保健相)として、生殖補助医療と厳格に区別。異性カップルでも法律で禁止されている。このため、男性同士のカップルが仏国内で第三者の女性の協力を得て、人工授精で子供を持つことは今後も認められない。 (C)時事通信社