政府は20日、首相官邸で「全世代型社会保障検討会議」の初会合を開いた。安倍晋三首相は「少子高齢化と人生100年時代を見据え、年金、医療、介護、労働にわたる持続可能な改革を検討する」と表明。年末に中間報告、来夏に最終報告を取りまとめる。急速な高齢化による社会保障費の急増が目前に迫る中、首相は消費税率10%を超える増税を封印しており、「痛み」を伴う改革にどこまで踏み込めるかが焦点だ。
 検討会議は首相が議長を務め、西村康稔経済再生担当相、加藤勝信厚生労働相ら関係閣僚と、中西宏明経団連会長、増田寛也元総務相ら政府の審議会などに参加する有識者9人で構成する。
 年末にかけて、年金制度と高齢者の就労促進を主要テーマに、社会保障制度の「支え手」を増やす方策を議論。年金ではパート労働者への厚生年金適用拡大が議題に上る。一定以上の収入がある高齢者を対象に年金を減額・停止する「在職老齢年金制度」についても見直しを話し合う。
 高齢者雇用では、希望する高齢者が70歳まで働ける仕組みを検討。こうした取り組みで、少子高齢化の中でも社会保障を支える「現役世代」の裾野を広げる狙いだ。同日の会議でも有識者から「支え手」増への改革を求める声が相次ぎ、政府は次の通常国会に関連法案を提出する。
 来年は医療制度の見直しに関する検討が始まる見通しだ。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり始める2022年度以降、医療費などの急激な膨張が予想され、「給付と負担」の見直しは待ったなし。有識者から「どこにも打ち出の小づちはない」(清家篤前慶応義塾長)との指摘もあり、後期高齢者の医療費自己負担の引き上げや、受診時の定額負担上乗せなどが改革メニューに上るほか、予防医療の推進策も協議する。 (C)時事通信社