国が運用する社会保障と税の共通番号「マイナンバー」制度は、憲法で保障された「プライバシー権」の侵害に当たるとして、神奈川県などに住む230人が国に、個人番号の収集や利用の差し止めなどを求めた訴訟の判決が26日、横浜地裁であり、関口剛弘裁判長は「制度は個人のプライバシー権を侵害していない」として、訴えをいずれも棄却した。原告側は控訴する方針。
 関口裁判長はプライバシー権を、最高裁が2008年の住民基本台帳ネットワーク訴訟で示した考えと同じく、「個人情報をみだりに開示または公表されない自由」と解釈。情報の収集や利用自体が権利侵害とした原告側の主張を退けた。番号に結び付けられている個人情報は以前から行政機関などが利用しており、制度に不備もないとして合憲と結論づけた。
 ただ、制度開始以降、民間再委託による情報漏えいが起きていることに触れ、「現状の安全対策で、漏えいを完全に防ぐことは困難」などと指摘。防止に向けた不断の改善を国に求めた。
 同様の訴訟は横浜のほか、東京、大阪、仙台、新潟、金沢、名古屋、福岡の7地裁で起こされており、初の判決。原告団代表の小賀坂徹弁護士は判決後の会見で、「全国の訴訟を励まし、勇気づける判決を期待したが残念」と話した。 (C)時事通信社