パーキンソン病で神経伝達物質のドーパミンを生み出す脳神経細胞が死滅する原因には、ドーパミンをためておく「シナプス小胞」の脂質膜異常が関与している場合があることが分かった。順天堂大の今居譲先任准教授や服部信孝教授らが27日までに米科学アカデミー紀要電子版に発表した。新たな予防・治療法を開発する手掛かりになると期待される。
 パーキンソン病は高齢者に多く、手足の震えや歩行困難などの運動症状が特徴だが、その前から便秘や睡眠障害、うつ症状が生じることがあり、長年かかって進行する。現在の治療は脳でドーパミンに変わる薬やドーパミンの受け手側を刺激する薬が中心で、ドーパミンを生み出す脳神経細胞の減少を防げれば抜本的な予防・治療法になる。
 パーキンソン病の原因遺伝子の一つをショウジョウバエで働かないよう操作したところ、神経細胞でシナプス小胞の袋状構造をつくるリン脂質膜が薄くなり、小胞自体が小さくなった。さらに、このリン脂質膜に結合してドーパミンの分泌を助けるたんぱく質「α-シヌクレイン」が膜から外れてしまい、異常に凝集した。いずれも神経細胞死につながった。 (C)時事通信社