全国の都道府県・政令市議会を対象に、時事通信がバリアフリーについてアンケートを実施したところ、障害を持つ議員への介助に関し独自ルールがあるのは、67議会中、熊本市のみであることが分かった。国会では、重度の障害を持つ参院議員が誕生し、「重度訪問介護サービス」の費用負担などの対応に追われている。地方議会でも、障害を抱える議員が議会活動を行うための体制が十分整備されていない実態が明らかになった。
 アンケートは8月下旬から9月にかけて47都道府県と20政令市の議会事務局を対象に実施。全議会が回答した。
 それによると、日常的な議員活動中の介助費用の負担について、独自にルールを制定している地方議会はなかった。ただ、熊本市議会では、車いす生活を送る議員が1999年に初当選したのを機に、バリアフリーの議論に着手。行政視察の際に移動をサポートする介助者の交通費や宿泊費などの旅費を公費で負担する独自ルールを委員会で申し合わせた。
 独自ルールとまでは言えないとしつつも、障害を持つ議員が在籍する鹿児島県議会は取材に対し、熊本市と同様の運用を議長と副議長が了承していると回答。さいたま市議会は、政務活動費(政活費)の使途に関する運用指針で、会派や議員個人が視察を行う場合、介助同行者の交通費や宿泊費などを政活費から支出することを認めている。
 一方、議会内でのハード整備は着々と進んでいた。車いすでも利用可能な多目的トイレの設置状況を尋ねたところ、青森、静岡、和歌山の3県と静岡市を除くすべての都道府県・政令市が設置済みと回答。広島県や神戸市などでは、人工肛門・ぼうこうを付けた人(オストメイト)向け設備もあった。
 視覚障害者用点字ブロックは都道府県の6割、政令市の45%がそれぞれ整備し、手話通訳も都道府県の85%、政令市の75%が対応。ループ状のアンテナから音声を拾い、補聴器を通じて聞き取りやすくする「ヒアリングループ」などの聴覚補助設備は、茨城、東京、愛知、大阪、徳島、長崎など10都府県とさいたま、川崎、名古屋、堺、北九州の5市が導入していた。 (C)時事通信社