最大14都県が被害に遭った台風19号による断水は、広域に及ぶだけでなく、長期化も大きな問題となっている。発生直後に加藤勝信厚生労働相が「特に浄水場が水没しているところは、復旧に時間を要する可能性がある」と指摘したように、水道インフラの拠点である浄水場の機能喪失も大きく影響している。
 水道水は浄水場で浄化された後、配水場に送られ、各家庭や事業所に届けられる。浄水場から複数の配水場に届けることが一般的なため、1カ所の浄水場が機能を失うと、広範囲で断水が発生する。水没による電気系統の異常、泥水をかぶることによる故障が起きれば、機器の交換や修理が必要となり、復旧までの時間も長引く。
 2018年の西日本豪雨や、大規模停電(ブラックアウト)が起きた北海道地震を受け、厚労省は同年12月に水道施設の全国調査結果を公表。全国の浄水場のうち、土砂災害警戒区域や浸水想定区域に立地しながら特段の対策を講じていない施設が、それぞれ全体の1割以上を占めていることが分かった。
 こうした状況を受け、政府は20年度末までの3カ年の緊急対策計画に基づき、水道などのインフラ強化を進めている。国土強靱(きょうじん)化を掲げる政府・与党だけでなく、野党側からも強化を求める声が出ている。自治体水道での勤務経験がある立憲民主党の武内則男衆院議員は「国や都道府県の責務を明確にして、法律化した形で予算を確保すべきだ」と、踏み込んだ財政支援の必要性を訴える。
 ただ、厚労省幹部は「補正予算で新たに財源を確保することは考えていない」と話しており、小規模自治体が頻発する水害からインフラを守る予算をどう確保していくか課題が残る。 (C)時事通信社