【ワシントン時事】2017年時点の米国人の平均寿命が78.6歳で、14年の78.9歳から短くなったことが、30日公表された米疾病対策センター(CDC)の統計で明らかになった。専門家は、医療用麻薬オピオイドなど薬物による中毒死や自殺の増加が、平均寿命に悪影響を及ぼしたと分析している。
 CDC統計部門の年次報告によると、17年の平均寿命は男が76.1歳で14年から0.4歳、女が81.1歳で同0.2歳それぞれ縮まった。死因は心臓病とがんが多いが、両疾病による死亡率は低下傾向にある。
 一方、薬物中毒は死者数、死亡率とも17年までの10年間でほぼ倍増。とりわけ25~34歳の男が年平均18.5%増、35~44歳の男が同18.8%増と急激な伸びを示した。
 中毒死急増の背景には、「フェンタニル」など合成オピオイド中毒の拡大があるとみられる。CDCのギンディ統計分析官は、AFP通信に「これほどの(平均寿命の)落ち込みは、エイズウイルス(HIV)感染が広がった1993年以来だ」と話している。
 自殺による死亡率は、17年までの10年間で24%増加。特に10~14歳は、死亡率自体は他の年齢層より低いものの、2倍以上に増えた。
 自治体保健当局者でつくる全国協会の幹部は米誌USニューズ・アンド・ワールド・リポート(電子版)に、人々を薬物や自殺に追い込む要因に目を向ける必要があると主張。「貧困や格差、お粗末な教育など、医療以外の要素が健康全体に与える影響について、われわれはあまりにも軽視してきた」と指摘している。 (C)時事通信社