公的年金の制度見直しに向けた政府・与党の議論が本格化している。パート労働者の厚生年金加入を増やす「適用拡大」は、どこまでを対象とするかが焦点。労働者にとっては老後の給付を上積みできるが、企業にとっては保険料の折半負担が経営の重荷となる。政府・与党は早ければ11月末にも改正案の骨格を固める方針だが、調整は難航も予想される。
 厚生労働省は、少子高齢化が進む中でも年金制度を持続させるため、女性や高齢者に労働参加を促し、「支え手」に回ってもらう方針。その柱の一つが適用拡大だ。厚生年金の現在の加入対象は▽週労働20時間以上▽月額賃金8万8000円以上▽従業員501人以上の企業-などを満たすことが条件。
 従業員規模要件について、厚労省は9月に「撤廃すべきもの」と提案したが、中小企業から「事業環境が悪化する」との懸念が出た。政府内でも、企業に配慮し、従業員規模引き下げを「101人以上」にとどめる案が浮上。議論が続いている。
 高齢者の労働参加促進策としては、60~70歳の間で選べる年金の受け取り開始時期を60~75歳とする案が社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会でおおむね了承された。75歳から受給すると毎月の支給額は65歳から受け取った場合と比べて84%増となる。 (C)時事通信社