【パリ時事】フランス政府の燃料増税に端を発し、全国に拡大した抗議デモ「黄色いベスト運動」の開始から17日で1年となる。運動自体は大幅に規模を縮小しているものの、年金制度改革に反対する大規模ストライキが来月、予定されている。5年の任期を折り返したマクロン大統領はストに「強い姿勢で臨む」と表明しているが、国民の反発は根強く、改革実現は正念場を迎えている。
 苦しくなる生活の改善を求める抗議運動の激化を受け、マクロン氏は今年の燃料税増税を断念した。最低賃金の引き上げや年金生活者向けの減税などを実施し、事態の収束に努めた。
 仏メディアが15日に報じた世論調査によると、マクロン氏の支持率は約36%。過去最低を記録した23%からは回復した。
 一方で、職業ごとに異なる支給制度を一本化する年金改革は、受給額が減ることを恐れる人々から大きな反発を受けている。仏紙レゼコーが報じた世論調査では、約47%が改革に反対し、賛成は29%にとどまった。
 マクロン氏は仏ラジオとのインタビューで「支持率が下がるかもしれないが、改革しなければ国民との約束を破ることになり、国が必要とすることに応えられない」と強調。改革を断行する決意を語った。
 12月5日には、年金改革に伴う特権喪失に反発するパリ交通公団や国鉄職員らによる「無期限スト」が行われる。仏政治学者オリビエ・ルカン氏は「黄色いベスト運動は弱体化したが、不満は解消されていない。抗議行動は別の形で継続するだろう。年金改革が実現できるかは不透明だ」と指摘している。 (C)時事通信社