長崎原爆投下時に、国が定める被爆地域外にいたため被爆者と認定されない「被爆体験者」161人が、被爆者健康手帳の交付を県と市に求めた第2陣訴訟で、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)は22日までに、原告側の上告を退ける決定をした。10人に対する手帳交付を命じた一審判決を取り消し、全員の訴えを退けた二審福岡高裁判決が確定した。決定は21日付。
 一審長崎地裁は2016年2月、米国が原爆投下直後に実施した調査で年間積算線量の推計値が25ミリシーベルトを超えた地域にいた10人について、「原爆の放射線で健康被害を受ける可能性があった」と認定。県と市に被爆者健康手帳の交付を命じた。
 これに対し、二審福岡高裁は18年12月、米国の調査が線量を過大推計した可能性を指摘。一審判決が認めた10人の逆転敗訴を言い渡した。
 被爆体験者は、爆心地から半径12キロ圏内だが、国が被爆地域に指定していない地域で原爆被害に遭った。原爆体験に起因する精神疾患で医療費の給付が受けられるが、被爆者とは待遇に差がある。
 第1陣訴訟では、最高裁が17年、被爆体験者387人の上告を退け、被爆者と認めない判断が確定している。 (C)時事通信社