政府・与党は26日、一定以上の収入がある高齢者の年金を減額・停止する「在職老齢年金制度」について、65歳以上の減額対象を絞り込む見直しを断念する方針を固めた。減額基準を「月51万円超」に引き上げる案を撤回し、現状の「月47万円超」のまま維持する。与党内から、高所得者優遇との批判が相次いだことを踏まえた。
 政府・与党は6月に閣議決定した経済財政運営の基本指針「骨太の方針」などに、制度廃止を含めて検討することを明記した。これを受けて、厚生労働省は当初、元気な高齢者が就労期間を延ばす動機付けとするため、65歳以上の減額基準を「月62万円超」に引き上げる案を提示。しかし、有識者会議などから、追加給付による年金財政の悪化や高齢者就労の効果を疑問視する声が続出したため、厚労省は「月51万円超」に見直し幅を縮小した。
 しかし、野党だけでなく、当初は見直しを目指していた公明党からも否定的な意見が相次いだ。このため、65歳以上については現状のままとする方針に転換。ただ、60~64歳で「月28万円超」としている基準は65歳以上と同じ「月47万円超」にそろえ、統一する。 (C)時事通信社