東京消防庁は16日から、救急搬送時に心肺蘇生を望まない終末期患者への対応について、蘇生中止の判断基準を新たに設ける。患者本人が事前に示した意思をかかりつけ医らを通じて確認できれば、蘇生を中止する。
 これまでは救急要請後に蘇生中止を求められた場合の明確な対応基準がなく、救急隊員が判断に苦慮することもあった。高齢化や在宅ケアの推進により同様のケースが増えることも想定され、同庁が指針の策定を進めていた。
 蘇生中止は、▽患者が成人▽終末期にある▽事前に治療方針などを家族らと話し合う「人生会議(アドバンス・ケア・プランニング)」で心肺蘇生を望まない意思を示している▽容体が本人の意思決定時に想定された症状と合致する―ことが条件となる。
 かかりつけ医やそれに準ずる医師に条件が整っていることを確認できれば、家族らに引き継いで救急隊は撤収する。人生会議をしていない患者や、不慮の事故など想定と異なる症状の場合は対象外とし、蘇生を継続して搬送する。
 新基準の運用開始に向け、同庁は11月末、救急隊員の研修を行い、患者家族やかかりつけ医への対応などを確認した。同庁の緒方毅参事は「傷病者の意思を尊重すべきという考えで基準を定めた。家族などへも丁寧に説明できるようにしたい」と話した。 (C)時事通信社