厚生労働省は16日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)介護保険部会に、介護保険制度の見直し案を示した。特別養護老人ホームなど介護施設の食費・居住費は、一部の低所得者の負担額を増やす。年収770万円以上の人は、介護サービスの自己負担上限額を引き上げる。焦点だったケアプラン作成の有料化や自己負担(原則1割)を2~3割とする対象の拡大などは見送った。
 厚労省は次期通常国会に関連法改正案を提出し、2021年度から実施する方針だ。
 各施設の食費・居住費の見直しでは、低所得者の区分を細分化。世帯の全員が非課税で本人の年金収入などが年120万円超の人を対象に、自己負担をいずれも月2万2000円増額する。例えば、特養の多床室では現在の月6万円から月8万2000円になる。
 利用者負担の上限額を定めた高額介護サービス費は、支払い能力に応じて負担を求める観点から高所得者を対象に改める。現行の月4万4400円から、年収が約770万~約1160万円未満は9万3000円、同1160万円以上は14万100円に引き上げる。
 この他、40歳以上としている保険料を払う被保険者を拡大したり、サービス受給者の年齢を原則65歳以上から引き上げたりする改正も「引き続き検討」と見送った。要介護度が低い人への掃除や調理といった生活援助サービスを市町村事業に移す検討もしたが、現行通りとした。 (C)時事通信社