政府は25日、年金制度改革の方向性を取りまとめた。シニアや女性らの就労を後押しし、制度を支える側に回ってもらうとともに、老後の資産形成を促す。公的年金と私的年金の受け取り開始時期を75歳にまで延長するほか、パート労働者らの厚生年金加入要件も緩和し、高齢期の生活の安定化につなげる。
 厚生労働省は25日、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)部会で制度改正の方向性を報告し、おおむね了承された。今後法案化を進め、来年3月にも通常国会に提出する方針。
 現在、年金の受給開始時期は原則65歳で、60~70歳の間で選べる。前倒しすれば月の年金額が減り、遅らせれば増える仕組みだ。この選択の幅を60~75歳に拡大する。75歳から年金を受け取り始めれば、月当たりで65歳よりも84%増える。
 一定以上の収入がある高齢者の厚生年金を減らす「在職老齢年金制度」では、就労への抑制効果が指摘される60~64歳の減額基準を「月28万円超」から「月47万円超」に引き上げ、現行の65歳以上の基準と同一にする。
 厚生年金を受け取りながら働く65歳以上の人については、退職時まで支払った保険料に応じて年金額が改定されているが、これを在職中であっても毎年増額改定する仕組みに改める。
 焦点だった短時間労働者への厚生年金の加入拡大では、「従業員数501人以上」としている企業規模要件を、2022年10月に「101人以上」、24年10月に「51人以上」に引き下げる。これにより新たに65万人が加入する見込みだ。 (C)時事通信社