【ニューヨーク時事】米国で電子たばこに絡む肺などへの健康被害が社会問題化している。トランプ大統領はこれを受け、一部製品の販売禁止を一度は打ち出した。しかし、来年秋の大統領選への影響を懸念し、姿勢を軟化させた。
 「子どもが被害を受けてはならない」。トランプ氏は9月にこう訴え、若者に人気が高い、果物などの風味付き電子たばこの販売禁止を表明した。ただその後、たばこやたばこ製品の購入可能年齢を18歳から21歳に引き上げるにとどめる方針へと転換。大統領選を前に、業界団体の反対を受けて手綱を緩めた形だ。
 米疾病対策センター(CDC)によれば、12月中旬時点で、電子たばこ使用に関連する肺の病気による死亡は54件、入院は2506件に上る。高校生の4人に1人以上が使用しているという。
 トランプ氏は、闇取引が横行する恐れがあるとして、風味付き製品の一律販売禁止に慎重姿勢を示す。米最大手メーカーのジュール・ラブズは購入可能年齢の引き上げを支持する一方、風味付き製品については「成人喫煙者を(より有害な)紙巻きたばこから切り替えさせるのに役立っている」と、利点を強調する。
 これに対し、若年層の喫煙防止に取り組む非営利団体「キャンペーン・フォー・タバコ・フリー・キッズ」は、「(風味付き製品を)禁止しない限り危機を解決することはできない」とし、年齢制限だけでは不十分と訴える。
 そんな中、連邦よりも厳しい電子たばこ規制に乗り出す州もある。既に19州が連邦に先駆けて購入可能年齢を21歳に引き上げた。ニューヨークなど一部の州は、風味付き製品の販売も禁止する。一方で規制に反対する訴訟も起きており、電子たばこをめぐり、今後も米国各地で論争が続きそうだ。 (C)時事通信社