高齢者を含む誰もが地域で生きがいを持って暮らし続けられる「地域共生社会」づくりを目指し、厚生労働省が通常国会への提出を検討している関連法案の概要が判明した。高齢者の介護予防や衰えた心身の機能改善に効果的なケアの在り方について、個人情報保護に配慮しつつビッグデータを使って分析できるよう、国による新たなデータベース(DB)整備促進が柱。高齢者の普段の生活状況を把握する事業者からの情報を受けやすくするため、厚労省がデータ収集することを法律に位置付ける。
 厚労省は既存のDBに、市町村や事業者などが持つ介護・医療に関する情報を集めており、どういったサービスが提供されているかを把握することは可能だ。ただ、高齢者の普段の状態を詳しく把握していないため、サービスの効果を分析するのは難しいのが現状だ。
 そこで厚労省は、高齢者の普段の状態を把握する新たなDBを整備。どのような介護サービスが高齢者の状態改善に役立ったかを分析できるようにする。法案では厚労省によるデータ収集を法的に位置付けるほか、既存DBを組み合わせた分析に必要な「データのひも付け」をしやすくする仕組みを設ける。ビッグデータの利用と分析を認める主体として、地域の介護政策を考える市町村や研究機関などを想定している。
 法案ではこの他、中高年となった引きこもりの子どもを養う親が高齢化し、介護や生活困窮を同時に抱えて行き詰まる「8050問題」などに対応。相談窓口を設ける市町村への新たな財政支援制度を盛り込む。また、市町村が介護保険事業計画を作成する際には、人口構造の変化の見通しと高齢者向け住宅の設置状況などを記載することも求める。 (C)時事通信社