中国で新型コロナウイルスによる肺炎患者が拡大し、国内にも影響が広がっている。日本製マスクは中国人から人気があり、大手メーカーは生産体制を増強。一方、中国向けツアーなどを扱う大手旅行会社は「様子をうかがう」と動向を注視している。
 中国からの日本への渡航人気は高い。日本政府観光局によると、2019年の訪日中国人は約959万4000人に上り、過去最高を記録。ホテル予約サービス「アゴダ」の集計でも、アジアからの旅行者が24日から始まる春節(旧正月)連休に行きたいとする都市のトップは東京だった。
 衛生用品大手ユニ・チャームは、国内で初の感染者が公表された16日以降、複数の工場を24時間態勢で稼働している。小売店から注文が相次ぎ、1日当たりの生産量を最大10倍に増強した。日本製マスクは中国で人気が高く、春節連休で訪日中国人の増加が見込まれる中、同社担当者は「お土産で購入する人が多いはず」と期待を寄せる。
 旅行業界は影響を慎重に見極めている。旅行大手のJTBは「中国へ行く方には、外務省の情報を確認するよう呼び掛けている」と強調。エイチ・アイ・エス(HIS)の担当者は「キャンセルは出ていない」と話している。
 新型のウイルスからどのように身を守るべきか。東京医科大の浜田篤郎教授は、中国などで02~03年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)と比べ、「感染力はそれほど強くないのではないか」と分析。国内で流行が確認されていない現段階では、手洗いやアルコール消毒、人混みでのマスク着用など「通常の感染症対策で十分だろう」と話している。 (C)時事通信社