政府は新型コロナウイルスによる肺炎の感染が広がっている中国湖北省武漢市からの在留邦人の帰国に向け、民間のチャーター機を28日に現地に派遣する方向で最終調整に入った。また、日本国内での感染拡大を防ぐため、感染者の強制入院などが可能となる「指定感染症」に同日指定する。
 安倍晋三首相は27日の衆院予算委員会で「感染拡大の防止に向けて全力を挙げて取り組む」と表明。今回の肺炎を28日の閣議で指定感染症にする方針を明らかにした。同時に「チャーター機などあらゆる手段を追求し、(在留邦人の)希望者全員を速やかに帰国させる」と語った。
 日本政府が民間チャーター機などを使って海外在留邦人の帰国を支援した例は、1998年のジャカルタ暴動や2002年のインド・パキスタン情勢緊迫化などの際にある。感染症に絡んだ退避は初めてとみられる。
 政府は政府専用機の活用も検討しているが、搭乗可能人数が限られることから、まずは成田―武漢便を運航する全日空から2~3機をチャーターする見通しだ。
 政府は27日、在中国大使館を通じて第1陣の帰国希望者を募集。外務省関係者によると、中南米など第三国から自国民搭乗の希望が寄せられている。武漢市内の交通がまひする中、帰国希望者に空港までどう移動してもらうかが課題となっており、政府関係者は「28日に臨時便を飛ばしたいが、移動手段の確保に手間取っている」と語った。 (C)時事通信社