新型コロナウイルスによる肺炎が流行する中国・武漢市から在留日本人の第1陣が政府チャーター機で帰国した29日、勤務先の日本企業は駐在員の無事の到着に安堵(あんど)し、今なお現地に残る社員を気遣った。
 「健康面に大きな問題はないようだ」。近鉄エクスプレスの広報担当者は、現地に勤務する唯一の駐在員の帰国に胸をなで下ろした。直前まで第1便への搭乗は厳しいとの情報もあり、「役員一同、すごく心配していた。ほっとしている」と語った。駐在員は当面、自宅待機させるという。
 現地に11人の駐在員を派遣する日本製鉄では4人が帰国。他の7人は春節(旧正月)休暇のため、すでに一時帰国している。「体調に問題があるとは聞いておらず大丈夫だと思う。とりあえずよかった」と担当者。現地スタッフを中心に武漢の製造拠点は稼働を続けており、状況を見極めつつ今後の対応を検討する方針だ。
 取引先の工場に設備を納入するため、5人が長期出張中だったIHIでは、2人が帰国した。残る3人は別の場所に宿泊していたため、第2便以降で戻ってくる見通しだ。担当者は「政府の対応などを注視し、従業員の安全を第一に対応していきたい」と話し、現地に残る社員を気遣った。
 12人の駐在員を抱える流通大手のイオンは、現地で総合スーパー5店舗を営業。中国行政当局の要請もあり、食品や衛生関連用品の供給を続けている。一部の社員は現地での業務継続を希望しているといい、担当者は「テレビ会議などを通じて従業員の健康を守りつつ、仕事ができるようにしていきたい」と話した。 (C)時事通信社