【ベルリン時事】世界保健機関(WHO)は30日、新型コロナウイルスについて「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に当たるかを判断する緊急委員会を開いた。当初中国のみだった「人から人」への感染が日本やドイツなどにも拡大。世界的流行への懸念が強まり、宣言を見送った前回緊急委から1週間で再招集を迫られた。
 各国はすでに中国への航空便停止など独自対策に着手しているが、緊急事態が宣言されれば、より強力な措置を取る根拠になる。また、各国が統一した基準で検疫などを行うことが可能になる。
 一方、中国は事態を制御できなかったとの国際的評価を受け、メンツを失いかねない。先週に2度開かれた緊急委では委員の意見は二分。テドロス事務局長は、中国は「これ以上望めないほどの対応」をしていると述べるなど、中国に配慮する姿勢をにじませている。
 現在の緊急事態をめぐる制度は、2002~03年の重症急性呼吸器症候群(SARS)大流行を受け、05年に整備された。症状の重さや感染力などを基準に、専門家で構成する緊急委が国際的に重大な問題になると判断すれば、緊急事態を宣言する。これまで09年の新型インフルエンザや、昨年のエボラ出血熱など5件の宣言が出された。 (C)時事通信社