中国湖北省武漢市で確認された新型コロナウイルスの国内での感染拡大を防ぐため、政府は1日、感染者の強制入院を可能にし、過去2週間に湖北省に滞在した外国人の入国を拒めるようにする新たな対策をスタートさせた。安倍晋三首相は政府対策本部の第4回会合で「(政府予算の)予備費の使用も視野に、さらなる対応策を早急に策定し、至急実行に移してほしい」と指示した。
 新たな対策は感染者対応の強化と入国管理の厳格化の2本柱。新型ウイルスによる肺炎を1日付で感染症法上の「指定感染症」と検疫法上の「検疫感染症」に指定し、感染者の強制入院・就業制限や感染が疑われる入国者への検査・診察の指示を可能にした。
 入管では出入国管理法に基づいて、新型ウイルスの感染者の入国を拒否。また、1月31日付の閣議了解により、(1)日本到着前14日以内に湖北省滞在歴がある外国人(2)同省発行の中国旅券所持者―も当分の間、特段の事情がない限り、入国を認めないことにした。
 対策本部の会合は新対策の開始を受け、首相官邸で開かれた。首相は入管当局に対し「厳格な運用を図るとともに(入国)申請者の特別な事情にも十分配慮してほしい」と述べ、丁寧に入管業務を進めるよう求めた。厚生労働省には感染拡大への国民的不安が高まっているとして、相談体制の抜本的な拡充を命じた。
 一方、外務省は中国の湖北省以外の地域に住む在留邦人向けに「一時帰国を含む安全確保を検討することを勧める」と呼び掛けた。主要国の航空会社の中国便の運休が相次ぐ中、今後、交通の制約がさらに拡大する可能性があると指摘している。 (C)時事通信社