【ニューヨーク時事】中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の拡大が、世界の景気を下押しするとの懸念が強まっている。中国では春節(旧正月)の連休明けも、多くの工場などが操業再開を延期。休業が長期化すれば、中国に部品供給や販売を依存する企業への打撃は必至だ。最悪の場合、2020年の世界経済の成長率が3%を下回る可能性があるとの見方も出ている。
 新型肺炎の影響は、中国に進出している米企業にも広がりつつある。コーヒーチェーンのスターバックスは中国国内約4300店舗の半数以上で一時休業を決定。アパレル大手リーバイ・ストラウスも店舗の約半数を閉めた。一方、ウイルスの発生源とされる武漢周辺に部品調達先を抱えるアップルは、販売店の一時閉鎖もしており、販売、生産の両面で打撃になる可能性がある。
 半導体製造などは中国への依存度が高い。大和総研ニューヨークリサーチセンターの矢作大祐研究員は「工場再開の遅れが1カ月を超えると、在庫が尽き、生産に影響が出てくる」と指摘する。
 03年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)による世界経済への影響は、年0.1%程度の下押しにとどまったとされる。ただ、その後の中国の経済成長で、生産、消費の両面で存在感が増大。国際通貨基金(IMF)によると、中国経済が世界全体に占める比率は、03年の約9%から18年には約19%に上昇した。
 英金融大手バークレイズは、影響が長期化すれば、20年の中国の成長率を最大1.3ポイント押し下げると試算。世界経済の成長率は現在の予想の3.3%から2%台に低下する可能性があると警告している。 (C)時事通信社