【デモイン(米アイオワ州)時事】秋の米大統領選に向けた野党民主党の候補者指名争いの初戦、アイオワ州党員集会の中間集計が公表され、最若手のブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長(38)が首位に立った。ユニークな経歴から進歩的と見る向きもあるが、訴える経済政策は「中道派と左派の寄せ集め」との見方も。全米規模に支持を広げるには、独自政策の乏しさがネックになりそうだ。
 中道派に近いブティジェッジ氏は、国民皆保険の導入を唱える左派候補サンダース、ウォーレン両上院議員に対して「ばらまき政策」だと批判し、公的保険と民間保険の併用を主張する。一方、最も厳しいサンダース氏の増税案と同様に、連邦法人税率を「トランプ減税」実施前の35%へ戻す。米景気に逆風になるとの懸念から、経済界は「ブティジェッジ・リスク」に身構える。
 世代交代を売り文句に、同じ中道派のバイデン前副大統領(77)から浮動票を奪った。路線対立が深まる民主党内の融和を優先したためか、主要候補に比べて政策の独自性は薄い。左派が提案する大学無償化や富裕層課税ほど大胆な改革は示さず、オバマ前民主党政権の金融改革を手本に挙げるなど新味に欠ける。
 ただ、共和党のトランプ大統領と真逆の「予測可能で無難な政策」(アイオワ州の自営業男性)は安心感を誘ったもよう。前回大統領選でトランプ氏勝利を的中させ「債券王」の異名を持つ、ダブルライン・キャピタルのガンドラック代表は「バランス感覚は抜きんでている」と評価する。中国に対する制裁関税にも否定的で、貿易摩擦緩和を通じて世界経済の不確実性が低下するとの期待が高まる可能性もある。 (C)時事通信社