新型コロナウイルスの集団感染が判明したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」は、乗客乗員約3700人を乗せ、6日も横浜港に停泊を続けた。今後約2週間、客室内での生活を余儀なくされる乗客は、不安と不満を募らせている。
 「新たに10人の感染が確認されました」。同日正午ごろ、船内放送が感染者は計20人に上ったと告げた。乗客の平沢保人さん(64)は「既にインターネットで知っている情報。アナウンスが遅い」と不満を漏らした。
 船内ではこれまで、昼食が午後4時になるなどの混乱もあったが、6日には改善。食事を複数のメニューから選べるようになり、娯楽用にトランプや数字パズルゲーム「数独」も配布された。1人1枚のマスクも配られたが、平沢さんは「たった1枚とは。使い回せというのか」と憤る。
 室内に備え付けのミネラルウオーターは500ミリリットルで2ドル(約220円)。客室係はポケベルで呼べば来てくれるが、「ビールを頼んだら『ノーサービス』と言われた」と平沢さん。客室から出ないよう求められているが、廊下を歩く乗客もいるといい、「船内の秩序が心配だ」と懸念した。
 母、夫と乗船する石田雅子さん(61)も「室外に出ようとすると船員に制止される。苦痛に感じている人はいるだろう」と語る。6日からは、窓のない部屋を優先し、乗客がデッキに出られるようになったという。
 共用のコインランドリーまで行けないため、石田さんは客室で洗濯し、ストレッチなどをして過ごしている。自分も感染していないか気になり、「(下船後も)1カ月ぐらいは孫に会えないな」と話した。
 クルーズ船運航会社によると、ショーなどのプログラムは実施していないが、衛星電話回線や、1日14.99ドル(約1650円)などのインターネット回線は無料で提供している。中国やフィリピン、オーストラリアなどで放送されるニュースチャンネルも視聴できるという。 (C)時事通信社