【北京時事】新型コロナウイルスによる肺炎の発生地、中国湖北省武漢市が1月23日に封鎖されてから6日で2週間。武漢のウイルス封じ込めは「重点中の重点」(習近平国家主席)だが、急増する患者数に対し病院やベッドの深刻な不足が露呈した。市の対応は一貫して後手に回り、新たな病院や隔離施設の整備に追われている。
 湖北省衛生健康委員会は6日、武漢市の感染者が同日午前0時(日本時間同1時)までの1日だけで1766人増えたと発表した。市内の感染者は1万100人を超え、死者は414人に上る。
 市共産党委員会の胡立山副書記は5日夜の記者会見で、感染者を収容する28病院には計8000余りのベッドしかなく、ほぼ満床だと説明。感染が疑われるなどの理由で自宅に隔離された住民は2万人以上に及ぶという。
 胡氏は「市民からの批判は多い。われわれの仕事ぶりが良くないのはベッドの需給ギャップのためだ」と釈明。市トップの馬国強・党委書記も「早く厳格な措置を取っていれば、結果は今より良かった」と初動の遅れを認めている。
 市内では、患者を隔離する「火神山医院」(1000床)と「雷神山医院」(1600床)の突貫工事が進められ、火神山医院は4日から人民解放軍の医療スタッフによる診療が開始。基本的な病室にはベッド2床とトイレなどが備えられた。雷神山医院は6日、約10日間の工事を終えた。
 市は併せて、軽症患者向けの臨時収容施設として大型体育館や展示場など11カ所を選定し、計1万床以上のベッドを確保する。うち3カ所は、ベッド4400床と市外から派遣された2000人の医療スタッフをそろえ、5日夜から順次、患者の受け入れを始めた。
 武漢封鎖は全土への感染拡大防止が目的だ。中国政府の発表では、湖北省以外の新規感染者数は4日の890人をピークに、5日731人、6日707人と減少。中国外務省の華春瑩報道局長は6日の記者会見で「湖北以外の全国の新たな確定診断病例数は2日連続で下がった」と強調した。
 武漢市は6日、全市民が体温を毎日測定し、電話などで当局に報告するよう義務付けると発表した。異常があれば係員が訪問して検査する。
 一方、新華社通信によると、中国の医療チームは、米製薬会社ギリアド・サイエンシズが開発した抗ウイルス薬「レムデシビル」を武漢市の重症患者に投与する臨床試験を6日から始めると明らかにした。 (C)時事通信社