東京五輪・パラリンピックで参加国・地域と交流する「ホストタウン」。新型肺炎の感染が広がる中国のホストタウンの自治体では、交流計画に影響が出ている。青少年訪問団の来日が中止となった愛知県岡崎市は「いろいろなイベントを通じて、機運を盛り上げていこうと思っていただけに出はなをくじかれた思い」(国際課)と落胆を隠さない。
 岡崎市は、友好都市の内モンゴル自治区フフホト市との交流を基礎に、中国を迎えるホストタウンに登録。11~13日に同市の高校生8人らが訪日し、岡崎市内の一般家庭にホームステイして地元の高校生と交流する予定だったが、中国側の意向で中止となった。中国政府が禁止した団体旅行と見なされた。今後の交流に関し市は、慎重に検討していく方針だ。
 静岡県牧之原市も杉本基久雄市長の訪中を延期した。海南省にあるサーフィン代表チームの練習拠点を訪れたり、合宿の受け入れ時期を決めたりする計画だったが、断念。「選手や市民の安全が第一」(情報交流課)と、今後の受け入れは未定だという。山形県白鷹町もホストタウンの活動を通じた青少年交流を重視しているが、「受け入れは新型肺炎の終息を待つしかない」(町教委)。
 中国のホストタウンとして、支援の動きも活発化している。鹿児島県薩摩川内市は1月末、友好都市・江蘇省常熟市の要請を受け、マスク3万枚を送った。市民や職員用に備蓄していたマスクだった。お礼の電話を受けたという。ただ、同様に中国にマスクを送った自治体では、「日本でもマスクが不足しているのに…」といった声が電話などで寄せられた。
 ホストタウンは1998年長野冬季五輪で長野県内の学校が担当国を決めて応援した「1校1国運動」がモデル。長野市の担当者は「もともとホストタウンは五輪レガシーを引き継ぐもの。こういう時だからこそ正しい情報を発信して交流が途絶えないようにすることが大切」と呼び掛ける。 (C)時事通信社