中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関、中医協)は7日、医療サービスの公定価格である診療報酬の2020年度改定案をまとめ、加藤勝信厚労相に答申した。長時間労働が慢性化する救急病院の勤務医の働き方改革に向け、報酬を新設。また、ギャンブル依存症の治療に公的医療保険を適用する。
 24年度からは医師の残業時間規制が適用される。勤務医の働き方改革は急務で、20年度改定案では、一定以上の救急患者受け入れ実績があり、医師の勤務状況把握と負担軽減に取り組む救急病院に対し、入院初日の加算を新設。報酬を手厚くすることで病院に対応を促す。患者には自己負担増につながる可能性もある。
 また、がん患者への緩和ケアについて、複数の非常勤医師による治療も加算の対象とするなどの見直しを行い、医療従事者の柔軟な働き方を支援する。
 政府が推進するカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備と合わせて、患者の増加が懸念されているギャンブル依存症に関しては、集団療法を実施した場合に保険を新たに適用。加熱式たばこを吸う人への禁煙治療も保険適用対象とする。遺伝性乳がん患者らへの遺伝子検査と乳房や卵巣などの予防切除も新たに保険適用する。
 妊婦を診察した医療機関への報酬を上乗せする「妊婦加算」は、世論の反発を踏まえて廃止。妊娠した女性を含め患者の治療内容などに関する情報共有を医療機関同士で行った場合に、報酬を増やす仕組みを導入する。
 紹介状なしで大病院を受診した場合に、自己負担を上乗せする制度は対象範囲を拡大。身近なかかりつけ病院との役割分担を進める。
 20年度改定をめぐっては、政府は昨年末、「薬価部分」を1.01%下げる一方、「本体部分」は0.55%上げ、うち0.08%を救急病院の医師の働き方改革に回すことを決めた。これを受け、中医協が医療行為ごとの報酬を議論していた。 (C)時事通信社