国内初となる新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。感染拡大を防ぐため、約3700人の乗客乗員が船内での待機を強いられている。政府はクルーズ船を訪日外国人を増やす柱の一つに据えていたが、新型ウイルスに思わぬ冷や水を浴びせられた形だ。
 国土交通省は6日、外国籍クルーズ船による日本への寄港予定が相次いでキャンセルされ、2月の寄港数は2019年末時点の予約数から約4割減る見通しだと明らかにした。政府はクルーズ船による外国人入国者数について、20年に500万人という目標を設定したが、19年は速報値で約215万人にとどまった。20年は前年比でさらに減少する恐れもある。
 一方、国交省によると、船内で1泊以上した日本人のクルーズ船利用者数は18年、前年比1.8%増の約32万1000人と3年連続で過去最多を更新した。同省は増加について「海外からのクルーズ船が国内に寄港するケースが増えているのが要因」と指摘。従来は欧米を中心に運航されるケースが多かったが、日本を含むアジア市場が脚光を浴び、寄港先に選ばれているという。
 外国船を含むクルーズ船が18年、日本国内に寄港した回数は2930回で、前年比6%増となった。寄港先は博多や那覇、長崎、横浜などが上位に並んでおり、地域経済への影響も大きい。
 船内にはレストランやバー、プール、スポーツジムなどが併設され、日本人客の滞在日数は5~7泊が36・4%で最も多い。乗客が座ったまま過ごす飛行機や観光バスに比べ、他の乗客と接触する機会が増え、感染リスクは高いと言える。 (C)時事通信社