新型コロナウイルスや重症急性呼吸器症候群(SARS)、エボラ出血熱など、コウモリを主な宿主とするウイルスが人に感染した際、重症や死亡に至ることがある背景には、ウイルスがコウモリの高い免疫機能に対応して病原性を強めた可能性があることが分かった。
 米カリフォルニア大などの国際研究チームがエボラウイルスなどをコウモリとサルの培養細胞に感染させて比較する実験などを行い、12日までに英科学誌イーライフに発表した。
 コウモリは人間と同じ哺乳類だが、飛膜で空を飛ぶために代謝が速く、細胞内に発生した有害な活性酸素を除去したり、免疫反応による炎症の悪影響を抑えたりする能力が高い。種によっては寿命が40年とされ、同程度の大きさのネズミなどに比べて長生きすることで知られる。ウイルスに感染しても症状がほとんどないため、かえってウイルスが増殖し、宿主の役割を果たし続けることになるという。
 SARSのウイルスはハクビシン(ジャコウネコ科)など、中東呼吸器症候群(MERS)のウイルスはヒトコブラクダが中間宿主であり、新型コロナウイルスも中間宿主が存在する可能性が高い。コウモリの捕獲禁止を徹底する必要があるが、洞窟などの生息環境を脅かしてもウイルスを含むふんや尿などが拡散し、中間宿主になる動物が増える恐れがあるという。 (C)時事通信社