【北京時事】新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が止まらない中国に、世界から厳しい目が向けられている。しかし中国政府は、渡航制限など厳格な措置を取る米国を批判し、他国の米追随による「孤立化」を回避しようと躍起になっている。初動対応に遅れ、各国に拡散させた結果責任に触れずに「世界の公衆衛生の安全を一緒に守りたい」(中国外務省)などと国際協力をアピールしている。
 ドイツ訪問中の王毅外相は14日、ロイター通信の取材に、新型肺炎は「確かに中国や世界にとって挑戦だ」と困難な状況を認めつつ、「(感染拡大は)全体的に制御下にある」と主張。「ある国は過度に反応し、不必要なパニックを引き起こしている」と述べ、米国を念頭に非難した。
 王外相は15日、ドイツで開催中のミュンヘン安全保障会議で「夜明けが来た。光が前に見えてきた」と演説し、新型肺炎の終息が近づいているという認識を示した。ロイターによると、秦剛外務次官も15日の同会議で「間もなく終息すると確信している」と述べた。
 米国は各国に先駆け、2週間以内に中国を訪れた外国人の入国を拒否し、自国民にも中国への渡航中止を勧告。中国からの事実上の「退避」勧告を出した英国などが後に続いた。日本も中国からの早期帰国を至急検討するよう呼び掛けている。
 中国は外国との貿易や投資、人の往来の減少による景気悪化を防ぎ、国民の動揺を抑えようと必死だ。習近平国家主席は7日、トランプ米大統領と電話会談し「冷静かつ合理的な対応」を要求した。
 中国は今年、「小康社会(ややゆとりのある社会)」実現と第13次5カ年計画の最終年に当たる。習指導部は12日の重要会議で「新型肺炎の影響を最小限に抑え、経済の安定を保ち、各目標を実現させる」と確認した。
 中国外務省の耿爽副報道局長は14日、ネット上の記者会見の冒頭、「少なからぬ国の駐中国大使らが中国と共に新型肺炎に立ち向かうと表明している」と強調。一方、「透明性に欠ける」として中国の対応に失望を表明したクドロー米国家経済会議(NEC)委員長に対しては、「中国は透明で責任ある態度で対応している」と反論した。 (C)時事通信社