新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で19日、船内待機を続けていた乗客の下船が始まった。「ゆっくり休みたい」。ようやく上陸できることになった乗客からは安堵(あんど)の声が上がった。
 船が停泊する横浜市の大黒ふ頭には、同日朝から十数台のバスが続々と到着。午前11時ごろから乗客を乗せ、ふ頭を後にした。迎えに来た自家用車に乗り込む人もいた。
 東京都内の男性(77)は「いつ下りられるのか不安だった」とほっとした様子。「当初は情報も不足していたが、細かくフォローしてもらった」とクルーズ船の対応を評価し、妻(71)も「スタッフの努力に感謝する。本当に良くしてもらい快適に過ごせた」と目に涙を浮かべた。2人は路線バスと電車で自宅に向かうという。
 「検査で陰性が出ました。自宅に帰ります」。友人と一緒に乗船していた女性(85)は19日の下船が決まった瞬間、うれしさが込み上げた。上陸許可は18日に知らされたといい、「高齢だから第1弾に入れた」と語った。
 船側の指示に従い、荷物はスーツケースにまとめて部屋の外に出し、手荷物だけで船を下りる。「こんな経験は人生で一度もなかった。自宅でゆっくり休みたい」と声を弾ませた。
 別の女性(78)は、東京都内の自宅に向かわず、数日間ホテルに滞在する。自宅敷地内に生後数カ月のひ孫らが暮らしているためだという。
 下船は20日以降になるという男性(71)は「一緒に船に乗っている仲間とここまで励まし合ってきた。あと少し。早く下りたい」と話した。 (C)時事通信社