【北京時事】中国で新型コロナウイルスによる肺炎の感染者が1月11~20日に急増していたことが、中国疾病予防コントロールセンター(CCDC)が発表した論文で明らかになった。中国政府が対応を本格化させたのは習近平国家主席の重要指示が公表された同月20日以降。初動の遅れに国営メディアからも批判が出ている。
 CCDCは国家衛生健康委員会直属の研究機関。今月17日発行の専門誌「中華流行病学雑誌」に掲載された論文は、2月11日までに国内の医療機関から伝染病情報報告システムを通じて報告された感染例4万4672人の発症時期を分析。その結果、昨年12月末までが104人、今年1月1~10日が653人だったのに対し、11~20日は5417人、21~31日は2万6468人と急増。2月1~11日は1万2030人だった。
 湖北省武漢市政府が初めて「原因不明の肺炎27人」を発表したのは昨年12月31日。1月11日から16日までは「感染者41人で変わらず」と発表し続けており、情報隠しの疑いが濃厚だ。中国政府も、今月になって「習主席が1月7日の会議で対策を指示した」と主張したが、国が感染者の全国集計を公表し始めたのは1月21日。この間、11日には春節(旧正月)を前にした帰省ラッシュが全国で始まり、湖北省では12~17日に人民代表大会が予定通り開催された。こうした「日常」の継続が感染拡大につながったことは間違いない。
 共産党機関紙・人民日報系の環球時報(電子版)は「1月11~20日の感染急増は当時の病院取材とも合致する。しかし医療現場の懸念は、直ちに有効な措置にはつながらなかった」と、当局批判をにじませた。
 一方、論文では、中国政府が公表していない無症状の感染者数にも言及。疑い例も含む7万余りの報告のうち、ウイルス検査は陽性でも症状のない感染者は1.2%に当たる899人だったという。 (C)時事通信社