【ソウル時事】韓国で新型コロナウイルスの感染者が急増している。原因は南部・大邱市にある新興宗教団体の施設に通う人々が集団感染したためだ。感染者は今後も増える恐れがあり、4月の総選挙を控え、危機管理で批判を避けたい文在寅政権は感染拡大防止に追われている。
 保健福祉省によると、21日現在、感染者は前日比100人増の計204人。21日にはまた、感染者の女性1人が死亡し、国内の死者は2人となった。感染者のうち140人余りが新興宗教団体「新天地イエス教会」の信者やその接触者ら。政府当局者は「原因は不明確だ」と指摘し、感染経路を調査中と強調した。
 韓国では12~15日に新たな感染者が確認されず、文大統領も13日の財界関係者との会合で「遠からず終息するだろう」と述べ、楽観的な見通しを示していた。だが、事態は19日に一転。大邱市などで13人の感染者が新たに確認されると、これら地域での感染者は3日間で急増した。
 丁世均首相は21日、「一部では地域社会への感染が始まった」と強調し、大邱市などを「感染症特別管理地域」に指定した上で防疫態勢の強化を指示。大邱市に住む20代の男性によると、普段は人通りの多い繁華街は人影がまばらで、警戒感の高まりがうかがえる。
 文大統領は危機感を強めており、21日午前には関係閣僚との緊急会合を開催。「教会が提供する情報のみに依存すれば措置が進まない恐れもある」と懸念を示し、迅速な対応を求めた。
 首都ソウルでも警戒の動きが広がる。朴元淳市長は21日、政府への抗議集会が頻繁に開かれる中心部広場での集会を禁止すると発表。市内でも「教会参加者の感染が確認された」として関連施設を閉鎖する意向を示し、感染拡大を防ぐ考えを強調している。 (C)時事通信社