新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から下船した症状がなくウイルス検査で陰性だった乗客のリストが21日、国から複数の自治体に届いたことが分かった。自治体にとっては、下船者の健康観察など今後のケアを進める上で必須の情報。しかし、乗客の下船が19日に始まっても国から情報提供はなく、自治体側は「もう待ちきれない」(平井伸治鳥取県知事)などといら立ちを募らせていた。
 「求めていたものがようやく来た」(担当者)。鳥取県には21日午後6時45分、横浜検疫所からメールで県在住の下船者リストが届いた。平井知事は20日開かれた県の対策会議の席上「問い合わせをしても、この人が下船したという情報が一切出てこない異常な状態が続いている」と国の対応を批判していた。
 リストには氏名、生年月日、性別、連絡先などが記載され、併せて健康観察の方法や国への報告方法も示されていた。ただ、リストの内容は19日に下船した数人分のみ。20日、21日分はいつ届くか不明だという。
 県は今後、保健所を通して下船者とコンタクトを取り、健康相談の受け付けやマスク・消毒薬の提供などの支援に乗り出す。「(当事者の)不安に寄り添い、丁寧なフォローアップをする」(平井知事)方針だ。
 「情報がないとこちらから(下船者に)アプローチできない」。吉村洋文知事が情報提供を強く求めていた大阪府にも21日夕、厚生労働省からリストが届いた。19日時点の下船者のリストで、府医療対策課は内容の精査を急ぎ、可能な範囲を見極めた上で、早期に公表する考えを示した。 (C)時事通信社