新型コロナウイルス感染拡大の影響で品薄になっているマスクの供給が、政府の掛け声にもかかわらず進んでいない。花粉症シーズンの本格到来を前に、インターネット上では対策を疑問視する声が出ており、政府は対応を急ぐ考えだ。
 「話が違うじゃないか。どうなっているんだ」。菅義偉官房長官は20日、経済産業省の担当者を呼び、マスクの品薄状態が解消されない現状について説明を求めた。
 1月以降の中国での感染拡大を受けて、厚生労働、経産両省は業界団体にマスク増産を要請。13日に発表した政府の緊急対応策では、増産のための設備投資支援に5億円を確保した。
 政府関係者によると、1月最終週には週1億枚超を供給できるようになったが、それでも週9億枚に急増した需要に追い付いていないという。
 ネットでは「いまだにどこにも売っていない」「花粉症がきつくて頭が痛い」と訴える声や、「そのうちマスク不足で内閣が倒れるぞ」と政府の対応を批判する書き込みが相次いでいる。
 高額転売を目的に大量購入する人もいるとみられ、政府高官は「増産しても買い占めがあるから、なかなか行き渡らないようだ」と頭を抱える。
 1973年に起きた第1次オイルショックでは、社会問題化したトイレットペーパー不足に対処するため、生活関連物資緊急措置法を活用して、買い占めや売り惜しみを取り締まった。
 しかし、政府は今回のケースに同法を適用することに慎重だ。浜田聡参院議員(NHKから国民を守る党)の質問主意書に対し、21日の閣議で「現段階ではマスクを(対象に)指定する状況ではない」とする答弁書を決定した。 (C)時事通信社