新型コロナウイルスの感染拡大を受け、3月から本格化する2021年春卒業予定の大学生らの就職活動にも影響が出ている。同月1日解禁の会社説明会は中止が相次ぎ、学生からは「実際に働いている人と生で会えず痛い」と嘆きが漏れる。大手企業にはウェブで代替する動きもあるが、将来を大きく左右する就職活動で、学生は情報収集に苦慮しそうだ。
 就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアは、安全を最優先とし、3月の合同企業説明会の中止を決めた。計81件で3万~5万人の学生が参加する予定だった。
 就職情報大手マイナビも合同説明会などの中止を検討している。3月には、一度に2万~3万人の参加を見込む国内最大規模の説明会をはじめ全国で計194件を計画しており、中止となれば影響人数は計り知れない。
 単独の会社説明会も、三菱UFJ銀行が今年は取りやめ、ウェブ方式に切り替えた。ライブチャットを活用し、参加する学生からの質問などに採用担当者がリアルタイムで回答する。みずほ銀行や三井住友銀行も切り替えの検討を進めている。
 こうしたオンラインでの会社説明会システムなどのサービスを提供するIT企業ブイキューブ(東京都港区)では、イベントを予定していた企業などからの問い合わせが、1月に比べ2月は10倍のペースで殺到しているという。
 「仕方ないが残念」。リクナビの説明会に行く予定だった都内の大学3年の田中秀征さん(22)は「社員と直接話せれば、会社の雰囲気が分かりミスマッチも減らせると思うが」と戸惑った。就活スケジュール見直しのためにも、中止の連絡は早めにしてもらいたいと言う。
 金融業界を志望する早稲田大3年の男子学生(21)は「説明会を中止するよりは、インターネット上で聞ける機会があった方がありがたい。就活生にとっては、コロナウイルスが怖いなどとは言っていられない。(6月以降の)面接まで響かなければいいが」と早期終息を願った。 (C)時事通信社