【北京時事】中国湖北省武漢市を中心に広がる新型肺炎を引き起こすコロナウイルスの感染源として野生動物が疑われる中、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は24日、「違法な野生動物の取引禁止とみだりに野生動物を食べる悪習の排除」に関する審議を行う。習近平指導部は、感染症のまん延を防止するため希少な野生動物の売買を厳しく取り締まる法整備を行う方針だが、野生動物を珍味として楽しむ「野味」と呼ばれる食文化があり、規制の実効性は不透明だ。
 新型肺炎を引き起こすウイルスは、全身がうろこで覆われた哺乳類のセンザンコウなどを通じて人間に感染したとみられている。中国政府は1月26日、肺炎が収束するまでの一時的な措置として野生動物の取引を全面的に禁止した。
 さらに、習国家主席は2月3日、共産党政治局常務委員会の会議で、国が定める動物の売買を禁じる「野生動物保護法」の改正を指示した。習氏は14日も同法改正に言及した。法改正により、罰則を強化し、取引の禁止対象となる動物も増えるとみられる。
 ただ、法的規制を強めても実際に再発を防止できる保証はない。「野味」は中国南部を中心に根付いており、センザンコウの肉は食用、うろこは漢方薬に使われる。センザンコウをはじめとする絶滅危惧種は、これまでも中国内で取り締まりの対象だったが、違法取引が横行してきた。
 中国政府系研究機関の報告書によると、2016年に食・薬用の野生動物の売買に関わった業者は約650万人、市場規模は1300億元(約2兆1000億円)に上ると推定される。ネット上には「これまでのような上っ面ではなく、厳しい取り締まりが重要だ」という声が出ている。 (C)時事通信社